[ワシントン 15日 ロイター] - バイデン次期米大統領は15日、新型コロナウイルスワクチン接種ペース加速に向けた計画を発表し、トランプ政権の接種計画を改善すると表明した。

バイデン氏は「米国の健全性は危機にさらされており、勇気と信念を持って、大きな目標の達成を目指す時だ」と言明した。

バイデン氏は数千カ所のワクチン接種センターを設置し、引退した医療関係者を募り、教師やスーパーマーケットの従業員、年齢65歳以上の人などへの接種を展開することを計画。また、低所得地域でのワクチン接種拡大や、ワクチンに懐疑的な国民向けに接種を奨励するマーケティングキャンペーンを打ち出す考え。

さらに、国防生産法(DPA)を発動し、ワクチン接種ペース加速に必要な注射器やバイアル瓶などを増産するほか、ワクチンの冷蔵や保管を支援する。

バイデン氏は新型コロナ対応を最優先政策課題に位置付け、20日の就任から100日以内に国民1億人のコロナワクチン接種実現を目指している。

政権移行チームによると、バイデン氏はトランプ政権のコロナワクチンと治療薬の開発・製造を支援する「オペレーション・ワープ・スピード(OWS)」を刷新する計画で、デービッド・ケスラー米食品医薬品局(FDA)元長官を新型コロナウイルス対策責任者に指名した。

トランプ政権は昨年末までに2000万人のワクチン接種を目指していたものの未達に終わり、米疾病対策センター(CDC)によると、14日時点で全国に配布されたワクチン3000万回分に対し、接種を受けた人は1110万人にとどまっている。

また、バイデン氏は前日、1兆9000億ドル規模の新たな景気対策案を発表。うち4150億ドルをワクチン接種などの新型コロナ対策に充てるという。