[ブリュッセル/ビリニュス/オスロ 15日 ロイター] - 米ファイザーは15日、欧州諸国とカナダ向けの新型コロナウイルスワクチンの供給を一時的に削減すると明らかにした。ワクチン増産に向けた製造工程の変更が理由で、今月下旬から2月初めまでの出荷に影響が及ぶ。

欧州連合(EU)加盟のスウェーデン、デンマーク、フィンランド、リトアニア、ラトビア、エストニア6カ国の保健相らは欧州委員会に宛てた書簡で「ワクチン接種の日程に影響が出るだけでなく、ワクチン接種計画の信認失墜につながる」とし、「容認できない」と表明した。

リトアニアの保健相は、ファイザーは合意済みの供給日程に戻すべきとの認識を示した。

EUでファイザー製ワクチンの最大の購入国であるドイツも、発表は驚きで遺憾とのコメントを発表した。

フォンデアライエン欧州委員長は、ファイザーが第1・四半期のEU向け出荷分については遅れが出ないことを確約していると述べた。

カナダは、ファイザーのベルギー製造施設から供給を受けていることから今回影響を被る。

ファイザーは、製造能力を現在の年間13億回分から20億回分に引き上げるため、製造工程を変更すると説明。これにより「2月終盤から3月にかけて生産増は大幅に拡大する」としている。

しかし、EU筋は今週、9月までワクチンの生産能力は最大にならず、ワクチン供給は少なくとも3月まで限定されるとの見方を示していた。

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