[パリ 13日 ロイター] - カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシオン・クシュタールは13日、仏小売大手カルフールに買収案を提示したと発表した。一方、食の主権や雇用を巡る懸念を理由に、ルメール仏財務相は買収に反対を表明した。

買収提示額は1株当たり20ユーロで、大半が現金。この額で計算したカルフールの価値は162億ユーロ(約197億2000万ドル)となる。

ルメール財務相は仏テレビのインタビューで「買収には賛成しない。問題はフランスの食の主権だ」と述べた。また、カルフールが大手の雇用主であることから、雇用も主な検討事項だとしたほか、外国企業による買収は好まないとも語った。

食料確保における自立性を重視するフランス政府は最近、戦略的セクターのリストに食品小売りを追加した。これにより政府は買収案件の審査や阻止が可能になる。

カルフールは、最大市場のフランスで10万5000人を雇用しており、同国民間部門で最大の雇用主。世界全体では32万人以上を雇用している。