[リオデジャネイロ 12日 ロイター] - 中国シノバック・バイオテック(科興控股生物技術)が開発した新型コロナウイルスワクチンについて、ブラジルでの後期臨床試験(治験)で示された有効性は50.4%だったと、研究チームが12日発表した。

シノバック製ワクチンを巡っては、関係者が先週7日、後期治験で78%の「臨床上の有効性」が得られたと明らかにしていた。

サンパウロ州にあるブタンタン研究所の臨床研究担当医療ディレクター、リカルド・パラシオス氏によると、新たな有効性には臨床的支援を必要としない「非常に軽度」な症状の感染者が含まれているという。

トルコは先月、シノバック製ワクチン治験の中間データで有効性が91.25%だったと発表。インドネシアは11日、同ワクチンの有効性が65%となり、緊急使用を承認した。

ブタンタン研究所の当局者は、ブラジルの治験では国内のコロナ感染が深刻化する中、最前線の医療関係者に焦点を当てたほか、高齢者が含まれており、他の治験やワクチンの結果と直接的に比較するのは難しいとした。

ブラジルの国家衛生監督庁(ANVISA)はコロナワクチンの使用承認において50%以上の有効性を規定している。

ブラジルの予防接種プログラムは現在、シノバックのコロナバックと、オックスフォード大学とアストラゼネカが開発したワクチンに頼っているが、いずれもまだ当局が承認していない。

ANVISAは、既にこれらのワクチンの緊急使用申請を行っており、当局は17日に会合を開き、緊急使用を認めるかどうか決定するとしている。