生命線の蓄電池
日本経済新聞
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リチウムは埋蔵量の約7割がチリなど南米に偏る。蓄電池の需要が拡大すれば、チリは今の原油大国サウジアラビアのような存在になる。中国は日本が輸入するリチウム材料の一つで7割以上のシェアを握る。脱化石燃料で原油の中東依存から解放されても、リチウムの地政学リスクが残る。
そこで新たな蓄電池の開発競争が始まった。
米マサチューセッツ州のスタートアップ企業マルタは、再生エネを長期貯蔵する技術を開発する。米アルファベット傘下で革新的な研究を担うXから18年に独立した。「巨大企業は脱炭素の電気を探し回っている」とマルタのタイ・ジャガーソン副社長は話す。
新技術は電気を熱に変え、「塩」にためる。溶けた塩は大量の熱をタンクに長期保管できる。リチウムイオン電池が数時間単位の蓄電に向くのに対し、原理上は電気を数日から数週間ためておける。