[ロンドン 8日 ロイター] - 8日の市場でMSCI新興国市場株価指数が1345ポイントを突破し2007年11月に付けた最高値を更新した。新型コロナウイルス危機後の経済回復への期待や世界的な景気刺激策、ドル安が投資家心理の改善につながっている。

同指数は新興27カ国の約1400社で構成されている。昨年3月の安値からは約80%上昇した。

スタンダード・ライフ・アバディーンの投資ディレクター、ニック・ロビンソン氏は、ドル安によって新興国の企業は外貨建て債務の返済負担が軽減していると指摘。「成長株からバリュー株への(世界的な)ローテーションの恩恵を享受している銘柄が多い」とした。

MSCI新興国市場株価指数は他の指数に比べて鉱業やエネルギー、金融のシェアが大きい。一方で、アジアのハイテク株のウエートも高く、半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)や中国の電子商取引大手、アリババ・グループ、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)、韓国のサムスン電子で同指数の約20%を占めている。

MSCI新興国市場通貨指数も今週最高値を付けたほか、債券スプレッドは新型コロナ禍前近辺の水準まで縮小した。