[北京 8日 ロイター] - 中国国営新華社通信が8日報じたところによると、中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は今年は金融政策の安定を優先して取り組む考えを示した。

人民銀はさまざまな政策手段を用いて流動性を合理的な範囲で潤沢な水準に維持し、マネーサプライと社会融資総量の伸びを名目経済成長率と基本的に一致させると述べた。

易総裁は、中小企業振興のほか、環境技術革新のための金融支援を拡充する方針を表明。「2021年の金融政策運営は安定と持続可能性が優先される」とし、景気刺激策の解消による経済への影響は小規模なものになるとの見方を示した。

中国では昨年、新型コロナウイルス感染拡大を受け全般的な債務比率が上昇。ただ、今年は安定化するとみられている。易総裁は、総債務の対国内総生産(GDP)比率の伸びは昨年第3・四半期以降に鈍化し始めたと述べたが、これ以上の詳細については踏み込まなかった。

人民元相場<CNY=CFXS>については、基本的に安定的に保つと表明。相場水準の決定には21年も引き続き市場原理が重要な役割を担うと述べた。

このほか、金利改革を推進すると表明。銀行の貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)の波及効果を改善し、預金金利の一段の自由化を進めると述べた。

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