[ブリュッセル/ロンドン 8日 ロイター] - 欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は8日、気候変動の影響が強まる中、2020年は16年と並び世界が史上最も暖かい年だったと明らかにした。

欧州大陸では異常に暖かい冬と秋になり、20年は史上最も暑い年となった。また、北極は猛暑に見舞われ、温室効果ガスである二酸化炭素の大気濃度が引き続き上昇した。

科学者らは壊滅的な気候変動を回避するため、温室効果ガスの排出削減に向けた各国の協力が必要だと指摘。EUの執行機関である欧州委員会で宇宙担当ディレクターは「2020年の異常な気候イベントとコペルニクス気候変動サービスによるデータは、われわれにはぐずぐずしている時間がないことを示している」と述べた。EUの宇宙プログラムにはコペルニクス地球観測衛星が含まれている。

コペルニクスによると、20年は世界的に気温が産業化以前の時代よりも平均で1.25度高かった。

2015年に締結されたパリ協定は、気温の上昇について2度を「大きく下回る」水準、できるだけ1.5度に近い水準に抑えることを目指している。コペルニクスの科学者は「カギは排出量を減らすことだ」と述べた。