[7日 ロイター] - 米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は7日、米経済が引き続き新型コロナウイルスの影響を受けており、第1・四半期は成長が鈍化し、マイナス成長に転じる可能性もあるとした上で、連邦準備理事会(FRB)は早くても年末までは資産買い入れの縮小に踏み切らないという見方を示した。

「足元もしくは近い将来の資産購入縮小はない」とフィラデルフィア・ビジネス・ジャーナルが主催したオンラインイベントで発言。「2021年の終わりか22年の初めに起こる可能性はあるものの、コロナ感染や経済の動向に左右される」と述べた。

経済活動は、感染抑制策のほか、感染を避けるための消費者の変化によって影響を受けると指摘。昨年9月以降にコロナ感染者数が増加していることを受け、昨年第4・四半期の国内経済は「緩やかな成長」を示すものの、今年第1・四半期は「大幅に減速する」と予想した。

それでも、ワクチン普及やこのほど可決された9000億ドルの景気支援策が年後半の景気持ち直しを支援するだろうとし、「2021年後半には経済そして人生がはるかに正常に見えるようになると楽観している」と述べた。

同時に、国内でワクチン接種を受けた人はこれまでに500万人未満と人口の2%にも届いておらず、接種ペースには「ひどく失望している」と表明した。

ハーカー氏は、政策当局者が昨年12月に月額1200億ドルの債券買い入れを継続することで合意したほか、買い入れプログラムを早期に変更すれば市場が混乱に陥る恐れがあると指摘。また、物価の抑制が効かなくなっている兆候は見られないことから、FRBは景気の下支えに向け金利を長期間ゼロ近辺に据え置く見通しとした。

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