[ブリュッセル 28日 ロイター] - 欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は28日、ロシアの公共メディアは国産の新型コロナウイルスワクチンを売り込みたい国々に対し、欧米のワクチンについて偽情報を拡散していると批判した。

ボレル氏はブログへの投稿で「ロシア政府の支配下にある多言語メディアで欧米のワクチン開発業者は公然とこき下ろされ、ワクチンの投与を受けた人がサルに変身するというばかげた主張につながったケースもある」と指摘。

このような偽情報は明らかに、ロシアの国産ワクチン「スプートニクV」を売り込みたい国々に向けられたものだとし、新型コロナ感染拡大が続く状況下で公衆衛生を脅かしていると批判した。具体例は挙げなかった。

ロシアはこのような疑惑を繰り返し否定し、スプートニクVが外国政府を後ろ盾とする偽情報拡散活動のターゲットになっているとしてきた。

ロシアは先週、アルゼンチンに1000万回分のワクチンを届ける契約の1回目を供給。中南米の他の国々やアジアの一部の国々とも供給契約を結んでいる。ロシア産ワクチンは必要とされる2回の投与の価格が20ドル未満に抑えられている。