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米国証券法の弁護士のかたがいらしたら詳細はおまかせしたいと思いますが、米国では虚偽記載にもとづく賠償責任が、問題となる目論見書を使って売却された株券にしかかからない制度になっています。ロックアップが切れて従前株主による追加の保有株売却が始まると、流通市場には「目論見書を使わずに」売却された株券が登場。いまの株券は全て電子化されていて、個々の株がどちらのタイプかを見分けることはできないため、ロックアップ切れをトリガーとして賠償義務はなくなっていきます。
これに対し直接上場ではロックアップがありませんから、目論見書を使って売却された株はすぐにその他の株と混ざっていきます。このため構造上、虚偽記載による損害賠償義務が極小化されるという見方が。
SpotifyやSlackの直接上場を手掛けたLatham & Watkins法律事務所は、損害賠償義務の回避性を直接上場のメリットとして盛んに宣伝してきました。そんな中、昨年Slackの株主が目論見書のリスク開示が不十分だったとして訴えをおこし、いままさに中間控訴審で機関投資家の業界団体や商工会議所を巻き込んだバトルが展開中なのです。
商工会議所の意見書によれば虚偽記載に関する訴訟は近年急増中。現在係争中の案件数はなんと600件、平均和解額は42億円にのぼるとのこと。
今回SECは、事の核心はロックアップの有無であり、直接上場自体ではないとしてNYSE支持の決定を下しました。そもそもロックアップは義務ではなく、ロックアップのないIPOや、ロックアップのある直接上場もありえるとしています。
ですがビジネス上、IPOでは証券会社の要請でロックアップが付きますし、直接上場で自らロックアップを受け入れる発行体や投資家はいないでしょう。機関投資家側の主張にもIPO株という確実な儲け口が失われることへの防衛策の側面が多分にありますが、思い切った判断をしたのではないかと思います。
ちなみに日本では虚偽記載を含む書類が公衆の縦覧に供されている間の取引きは全て対象で、同様の論点は生まれないと思われます