[ワシントン 21日 ロイター] - 米民主党のロン・ワイデン上院議員は21日に出した声明で、米財務省の数十件のメールアカウントが、米政府機関に大規模なサイバー攻撃を仕掛けたハッカー集団による不正侵入を受けたとの見方を示した。

声明によると、上院財政委員会のスタッフは、財務省へのハッキングがかなりの規模だったとみられ、「実際にどれだけ広範だったのかは分かっていない」との説明を受けたという。

同委の民主党トップであるワイデン氏は、マイクロソフトが財務省に対し、数十件のメールアカウントがハッキングされたと通知したと明らかにした。

また、「財務省はいまだにハッカー集団が取った行動の全容や、明確にどの情報が盗まれたかを把握していない」とした。ただ、内国歳入庁からは同庁のシステムが不正侵入されたり納税者のデータが被害に遭ったとの証拠はないとの報告を受けているという。

ムニューシン財務長官はこの日、CNBCとのインタビューで「損害も大規模な情報の流出もなかったことは朗報だ」と語っているが、ワイデン氏の声明はムニューシン氏の発言よりもかなり深刻な内容だ。

財務省からワイデン氏の声明についてコメントは得られていない。

ワイデン氏の側近は、ハッカー集団は財務省で、一度の認証手続きで複数のシステムにアクセスできる「シングルサインオン」のインフラに使われる暗号化キーを獲得し、職員が使っているマイクロソフト製メールシステムの受信トレイへのアクセスを確保したと説明。財務省当局者の話として、ムニューシン氏の受信トレイはハッキングされなかったとした。

マイクロソフトからコメントは得られていない。