[9日 ロイター] - 英オックスフォード大学ジェンナー研究所のエイドリアン・ヒル所長は、同大学と英製薬大手アストラゼネカが共同開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、規制当局の審査が臨床試験(治験)の終了後になる場合、米国では「来年半ば」まで利用可能にならないとの見解を示した。同氏はワクチンの開発責任者を務めている。

NBCによると、同氏は「米食品医薬品局(FDA)が1月にこのワクチンに関する入手可能なあらゆるデータを精査することを期待する。治験の終了を待っていたら来年半ばになる」と指摘。「それではこの効果的で、大規模かつ容易に展開できるワクチンの価値を生かすには遅過ぎる」と語った。

米コロナウイルスワクチン予防ネットワークの共同リーダーで、政府のワクチン開発加速計画「ワープ・スピード作戦」の治験を統括するラリー・コリー氏は数日前、このワクチンについて、米国での大規模治験で有効性の程度が明確になるという考えを示した。

また、同作戦のモンセフ・スラウイ首席顧問は先週、同ワクチンについて、来年1月下旬にも治験結果が得られ、その後ワクチンの緊急使用許可申請が提出される可能性があると述べている。