[ウィルミントン(米デラウェア州) 9日 ロイター] - バイデン次期米大統領は9日、ロイド・オースティン元中央軍司令官(67)を国防長官に指名したことについて、退役後間もない軍人の起用に懸念はあるものの、適切な人材とタイミングだという考えを示した。

オースティン氏はオバマ政権下で中央軍司令官として中東地域の米軍を統括し、就任すれば黒人初の国防長官となる。

一方、連邦法は文民統制を重視するため、軍人は退役から7年間は国防長官に就任できないと規定する。2016年に退役した同氏が国防長官に就任するには連邦法の適用除外を議会から得る必要がある。

バイデン氏は発表に当たり、オースティン氏を「この職に適切な人材とタイミングだ」と発言。「米国の歴史において現在求められる人材でなければ、この例外を求めない」と述べた。

一方、上院民主党ではギリブランド議員など数名が文民統制の観点から登用に懸念を示している。

下院軍事委員会のスミス委員長(民主党)は、適用除外を認めることに懸念はあるが、バイデン氏の決定を拒否しているわけではないと述べた。連邦法の適用除外はトランプ政権発足時のマティス元国防長官にも承認された。

*内容を追加しました。