イラン、地下施設に新型ウラン濃縮機設置へ 核合意違反=報告書
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イラン側の主張とすれば、米国が勝手に核合意を無視して経済制裁をかけているのだから、その状態が続く限り遵守する必要はないという理屈です。
バイデン氏が大統領になれば核合意に復帰するとみられていますが、それまでに交渉材料を増やして起きたいという狙いもあるものと思われます。
今回は176の効率型の遠心分離機(centrifuge)IR-2m(といっても古いモデルですが)を1カスケード176機地下に設置し、後にさらに2カスケード追加するとのこと。旧式の5060機のIR-1に追加されます。他にIR-4というモデルもあります。IR-1はパキスタンのA.Q.カーン博士が開発したP1タイプの改良型で、IR-2mとIR-4はP2の改良型です。IR-1の分離能力は0.75swu/yであるのに対し、P2系の2つはその4-5倍の効率があると言われています。
https://isis-online.org/isis-reports/detail/irans-advanced-centrifuges
ただ、IR-2mの生産には加工が難しいカーボンファイバーのローターが必要で、制裁下でどこまで自国内あるいは輸入で入手できているのかも焦点の一つになります。
既にナタンツには1000機のIR-2mがありますが、核合意ではこれらを撤去しIAEA監視下で保管することになっていました。
https://www.nti.org/analysis/articles/iranian-centrifuge-model-collection/
先月11日のIAEAの報告書ではIR-2mへのウラン注入は確認されていないとされていましたが、わずか3日後の14日のレポートで一転注入が確認されたとしていました。
IAEAによれば、イランは核合意で定められた濃縮率上限の3.67%を超えた4.5%レベルでの濃縮を続けていて、備蓄量は2443kgに達していると報告しています。