[ウィルミントン(デラウェア州) 3日 ロイター] - バイデン次期米大統領は3日、米国家経済会議(NEC)の次期委員長に気候変動政策に精通するブライアン・ディーズ氏(42)を起用すると発表した。

オバマ前政権の高官だった同氏は、2009年の金融危機時に自動車業界への公的支援で中心的な役割を務め、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」締結に向けた国際協議も担当した。

NECの創設以来、最も若い委員長となる。バイデン氏が新型コロナウイルス禍からの経済復興で環境保護政策を中心に据える意向であることを物語っている。

バイデン氏はディーズ氏について「信頼できる人物で、進行中の経済危機を終息させ、全ての人のためのより良い経済を構築し、力を発揮すると期待している」と述べた。気候政策に精通する最初のNEC委員長になるとした。

ディーズ氏は気候変動との闘いに必要な「大胆な新規の行動」を推進し、気候危機の核心である人種的不平等への対応も取ると表明。

米国はパリ協定に復帰する必要があり、バイデン氏が掲げる2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を達成するには、パリ協定を「はるかに超えて」前進する必要があると訴えた。

同氏はオバマ前政権時代に行政管理予算局(OMB)副局長やNEC副委員長、気候・エネルギー担当の大統領特別補佐官を務めた。民間では2017年に米資産運用会社ブラックロックの持続可能投資部門のトップに起用された。

大規模な気候変動政策の決議案「グリーン・ニューディール」の共同作成者であるエド・マーキー上院議員(民主党)はディーズ氏が経済政策の調整役を担えば「能力のある気候政策のリーダーが政府の気候中心の経済政策を主導することになる」と述べて歓迎した。

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