[東京 3日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比5円39銭高の2万6806円37銭となり、小幅続伸した。オーバーナイトの米国株式市場はまちまち。日経平均は反落スタート後、マイナス圏とプラス圏を行き来する方向感に欠ける値動きとなった。ただ、TOPIXはしっかりとした動きとなっており、全体的な底上げの動きは変わらないとみる関係者は多い。

2日の米国株式市場ではS&P総合500種が終値での最高値を更新する一方、ナスダック総合は小反落して取引を終了。新型コロナウイルスワクチンを巡るポジティブな動きや追加経済対策への期待の一方で、民間雇用統計がさえない内容となった。英政府は2日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの緊急使用を承認。来週から接種が始まる見通しとなった。

TOPIXは0.28%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆1947億7600万円となった。東証33業種では、海運業、陸運業、空運業などの25業種が値上がり。半面、精密機器、サービス業、機械などの8業種は売られた。

市場では「短期急騰による過熱感はあるものの、日経平均は大幅に値下がりすることなくプラス圏を維持、一服感はまだ出ていないとみる。ただ、循環物色の流れは強まっており、これまで買われていたグロース株はやや落ち着いてきている。今週に入りワクチン接種の話がより現実化したため、本質的な意味での景気回復が期待されているようだ」(東海東京証券のマーケットアナリスト、鈴木誠一氏)との声が聞かれた。

個別ではファーストリテイリングが続落。2日発表した11月の国内ユニクロの既存店売上高は前年比0.5%増加と、6カ月連続でプラスを維持しているものの、伸び率は前月の16.2%増から縮小したことなどが嫌気された。11月上旬の販売は好調だったものの、中旬以降は気温が高めで冬物の主力商品販売が振るわなかった。

東証1部の騰落数は、値上がり1349銘柄に対し、値下がりが735銘柄、変わらずが90銘柄だった。