[東京 2日 ロイター] - 日銀の雨宮正佳副総裁は、日銀が導入を決めた地域金融機関向けの新制度は金融政策ではなく、「金融市場全体の金利形成に影響を及ぼす可能性は極めて小さい」との認識を示した。仮に何らかの影響があったとしても「金融調節で影響を十分オフセットできる」と述べた。

2日午後、秋田県金融経済懇談会後の記者会見で語った。

日銀の政策委員会は11月10日、通常会合で「地域金融強化のための特別当座預金制度」の導入を決めた。経営統合を決定したりコスト削減で実績を出したりした地域金融機関に、当座預金残高に追加で特別付利プラス0.1%を付与する。

一部の国会議員などからは、手続きとして金融政策を決める決定会合で行うべきではなかったかとの指摘も出ているが、雨宮副総裁は、同制度はあくまでプルーデンス政策であり、「金融政策とは一線を画している」と説明。通常会合で決めたのは妥当という立場を示した。現在、利用する可能性がある金融機関と議論しており「できるだけ早期に実現に入りたい」と語った。

新型コロナへの対応として実施中の資金繰り支援の特別プログラムについては「必要と判断されれば期限を延長する」と語った。延長判断のタイミングについては「現段階では、感染症の動向やその影響をしっかり見極めながら適切に判断していきたい」と述べるにとどめた。

日銀は新型コロナ対応として、企業などの資金繰り支援、金融市場安定のための円・外貨供給、ETF(上場投資信託)等買い入れという措置をとっている。このうち、資金繰り支援の特別プログラムは来年3月末に期限がくることから、期限が延長されるか注目されている。

*内容を追加します。

(杉山健太郎 編集:青山敦子 田中志保)