[30日 ロイター] - 新興国市場株運用で有名なモビアス・キャピタル・パートナーズの創設者マーク・モビアス氏は、2021年は新型コロナウイルスのワクチンが入手可能となることで早い時期にロックダウン(封鎖)が解除され、その結果、新興国市場が先進国市場をアウトパフォームするとの見通しを示した。「ロイター・グローバル・インベストメント・アウトルック・サミット2020」で語った。

モビアス氏は、先進国政府が今年行ったような経済支援策を来年も続けることは不可能との見方を示した。

一方で中国の経済は順調に回復しており、インドも速やかに元のような急成長に戻ると予想。「インドと中国は現在、われわれにとって重要な市場だ。だが韓国や台湾など多くの地域も非常に重要であり、トルコや南アフリカに目を向けると、向こう1年ないし2年での見通しはとても良い」と述べた。

ワクチン接種をすぐにだれでも受けられることにはならないとしても、ワクチンの入手が可能になるという事実自体が「信じられないほどの心理的効果」をもたらすとし、21年の経済は非常に良好になると予想した。

モビアス氏は「アドバイスしたいのは分散投資だ」とし、クルーズ船、観光、航空など、「壊滅状態」だがバランスシートは強く、資金調達も可能なセクターを投資対象に加えるよう勧めた。また、来年は医療や教育など、技術を効率的に駆使しているセクターの資産が最も大きく上昇する仲間に入るとの見通しを示した。