[シドニー 1日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(豪中銀)は1日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを予想通り過去最低の0.10%に据え置いた。

ロイターの調査では、アナリスト15人全員が据え置きを予想していた。

ロウ中銀総裁は声明で「景気回復は進んでおり、最近の指標はおおむね予想より良好だ」と指摘。「これは朗報だが、回復はまだら模様で時間がかかり、引き続き大規模な政策支援に依存する」との見方を示した。

その上で、理事会は少なくとも3年はキャッシュレートの引き上げを予想しておらず、必要なら追加措置を講じるとの考えを再度示した。

ロイター調査によると、12月2日に公表されるオーストラリアの第3・四半期国内総生産(GDP)成長率はプラス約2.5%と、12年ぶりの高い伸びとなる見通しだ。GDPは第2・四半期に新型コロナ対策の制限措置の影響でマイナス7%と、1991年以降で初めての景気後退になっていた。

中銀は年初から3度の利下げを行い、連邦政府は3000億豪ドル相当の財政出動を表明している。

景気刺激策により11月の不動産価格は0.8%上昇し、新規住宅承認件数も20年ぶり高水準を記録した。

ロウ総裁は、雇用情勢とインフレ率は引き続き低調が見込まれるとし、当面は財政および金融政策による支援が必要だとの認識を示した。

総裁は声明で住宅市場には言及しなかったが、2日の議会経済委員会で住宅市場ついて議員から多くの質問を受ける可能性がある。

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