[アンマン 29日 ロイター] - ヨルダンのアブドラ国王は29日、パレスチナ自治政府のアッバス議長と会談した。関係者によると、双方は米大統領選で勝利を確実にした民主党バイデン氏がイスラエルとパレスチナの2国家共存による解決に向けた和平交渉を復活させるとの強い期待感を示した。

ヨルダン王室の声明によると、アブドラ国王は「パレスチナ人による独立国家樹立の合法的権利の実現を、ヨルダンは全ての国家資源とともに支援している」と表明。

バイデン氏は先週、アブドラ国王と電話会談し、「イスラエル・パレスチナ紛争の2国家共存による解決への支援で」協力することを望んでいると伝えた。

トランプ現米政権は同紛争に関する米政府の長年の政策を転換しており、2国家共存による解決への支持表明も避けてきた。

アブドラ国王とアッバス氏は共同声明で、イスラエルは占領地の併合と入植地建設の加速によって「規制事実化を図っている」と批判。

トランプ大統領は昨年、イスラエルの入植活動は「国際法と矛盾する」という米政府がカーター政権時代から40年間維持してきた外交的見解を放棄、事実上の容認に転じた。これがヨルダンとアラブ諸国の反発を招いた。

アッバス氏は3年前にトランプ政権との対話を停止しているが、外交関係者によると、30日はエジプトのカイロを訪れ、2国家共存による解決に基づく和平協議の復活に向けエジプト政府の支持を求める見通し。