[東京 30日 ロイター] - 経済産業省が30日公表した10月の鉱工業生産指数は95.0と前月比3.8%上昇し、5カ月連続のプラスとなった。指数としてコロナ禍前の3月以来の水準となった。ロイターが集計した民間予測中央値は同2.1%上昇だった。

もっとも、11月からはこれまで増産をけん引してきた自動車の減産が見込まれ、12月は指数が低下する見通し。経産省幹部は「当面低い生産水準が続く」「最近の感染再拡大が続くならば下振れリスクに注意が必要」と懸念を示した。

基調判断は「持ち直している」との表現を据え置いた。

<10-12月、四半期ベースでプラス確保の見通し>

10月は運搬装置やボイラ・原動機、自動車およびその部品、電子計算機・電子応用装置などの増産が寄与した。自動車の生産水準はコロナ禍前の1月の水準を上回った。

一方、半導体などの電子部品・デバイス、航空機部品や船舶、洗剤・化粧品などは減産となった。

11月生産予測は前月比2.7%上昇、12月は同2.4%低下となった。企業の生産計画をもとにした予測値は上振れしやすい傾向があり、これを考慮した試算値では11月は同0.4%増にとどまる見通し。

自動車など輸送機械工業は11月が前月比3.9%減、12月は同2.5%減の見通し。

経産省では10-12月の生産水準は7-9月と比べてプラスを確保できるとみている。

(竹本能文 編集:内田慎一)