【徹底解説】なぜ赤字スタートアップに「高い株価」がつくのか
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いよいよ最終回、今回は「上場後」にスポットライトを当てて書いています。
上場前の資本政策を考える上で、上場後の世界がどうなっているのか知っておくことは極めて有意義だと思います。まず知って欲しいのは「市場は刻一刻と変化する非常に巨大なマネーが動く世界最大のシステムの一つである」ということです。スタートアップにとっては、まさに小さなプールや池・川から、広大な海に進路を向けるようなものです。
今回、海外機関投資家という言葉が頻繁に登場しますが、彼らも一枚岩でもなく、単一のキャラクターではありません。極めて多様なアセットオーナー(ファンドへの出資者)が裏にいて、極めて多様なファンドマネジャーが多様な戦略で投資を行っています。投資する地域も、ファンドサイズも、投資する企業数も、平均的な投資期間も、株式の保有方針もまさに千差万別です。
多様な投資家とのコミュニケーションが如何に大切であり、困難を究めることであるかは、全ての上場企業で資本市場や投資家と対峙したことがある人は知っています。
既にポストIPOスタートアップとして上場している企業の名前にも触れながら、少しでも上場後の世界が身近に感じられるように記載しました。幾分正確性を欠く記載もあるとは思いますが、上場前の起業家もしくは上場して間もない経営者が上場後の世界に少し触れ、日々の資本政策や投資家との対話に活かしていただければ嬉しく思います。
最後に、一番大事なことは事業や組織そのものです。如何に持続的に社会に付加価値を提供し続けられるか、それが最も重要です。この記事では、それを「サステナビリティ」として表現しています。そのような事業を創業から磨き続けていくことが何よりも重要です。もう一つ、大事なことは「信用」です。投資家や株主、従業員など多様なステークホルダーとの対話を通じた信頼関係が構築できるかが鍵です。スタートアップという長い航海にとって、サポートしてくださる方々との信頼関係の構築は不可欠です。そのことが少しでも伝われば幸いです。
第一回:
https://newspicks.com/news/5368543
第二回:
https://newspicks.com/news/5383053
第三回:
https://newspicks.com/news/5405341骨太の連載で大変勉強になりました。
上場前に黒字化している場合に、上場後に赤字を掘った積極的な戦略が打ちづらくなる(株主の期待値がずれてしまい株式の売却につながる)、という点は上場前後の財務戦略の一貫性や株主の期待値コントロールという点で勉強になりました。
市場・株主に対する明確なコミュニケーション・一貫性という意味では、ウォーレンバフェットのスタイルが参考になるなと改めて思いました。
https://twitter.com/syamada0/status/1320143022638559232?s=20
>ウォーレンバフェットのバークシャ帝国の作り方。
管理することよりも信頼できる人に任せきることに振り切っているカルチャーが軸にある(結果、本社はわずか20名と極めてコンパクトに)。
社員だけでなく株主も、この信頼のカルチャーに共感してくれる人のみを集める、という徹底っぷり。今回も必読だが、
「投資家への誠実かつ説得力のある説明こそが、最大の資本政策となるのです。」ここがもっとも響いた箇所。
加えて、約束と、それを実行しきること。
その理由は、お金は臆病だから。
高い売上成長率を落とさないことが、赤字でも高い現在の時価総額の暴落を防ぐ唯一の施策。