そのイノベーションは顧客ニーズに応えるものか 自社製品やサービスありきではなく、まず顧客から始めよ

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注目のコメント

• ナカムラ タカシ

  株式会社ソトコト・プラネット 事業ディレクター

  ・2020年11月26日

  "マッキンゼー・アンド・カンパニーで鍛えられたディーパックは起業を考えていた時、eコマースの急成長でトラック運輸の需要が劇的に増えているにもかかわらず、インドのトラック運輸業界はドライバー不足に苦しんでいることに注目した。人口10億人以上の国で、失業率が高いにもかかわらず、それなりの賃金を得られるトラック運転手がこれほどまでに足りないのはなぜなのか。
  
  ディーパックはこの謎を解明するために、多くの住民が運転手に採用されている小さな村々を訪ねた。ただし、大量のサンプルを定量分析するといったコンサルティングの典型的な手法ではなく、民族学のフィールド調査のようなアプローチで問題の社会的要因を理解しようとした。
  
  現地の人々と1対1で話を聞いているうちに、トラック運転手はほぼずっと車を走らせているため、過剰な飲酒や違法ドラッグ、売春宿通いなど、悪習慣に陥る人が多いことがわかった。
  
  その理由の一つは、彼らがインドのカーストのいわゆる37番目、最下層とされる不可触民よりさらに低いと見なされていることだ。息子をトラック運転手にさせたい人も、娘をトラック運転手と結婚させたい人も（インドのトラック運転手は大多数が男性だ）、村にはいなかった。
  
  ディーパックが現地で話を聞いていくと、運転手不足の根本的な要因は、1回の走行距離が長すぎることで、運転手は自宅からずっと離れざるをえず、それが悪習慣を助長していることが明らかになった。"