[ウィルミントン(デラウェア州)/ワシントン 23日 ロイター] - 米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領は23日、国務長官にアントニー・ブリンケン氏、国家安全保障担当の大統領補佐官にジェイク・サリバン氏、国連大使にリンダ・トーマス・グリーンフィールド氏を起用する人事を発表した。

また、国土安全保障省長官には、オバマ政権で同省副長官を務めたキューバ系米国人弁護士のアレハンドロ・マヨルカス氏、気候変動を担当する大統領特使にはジョン・ケリー元上院議員を指名した。ケリー氏は民主党の元大統領候補で、オバマ政権で国務長官も務めた。

ブリンケン氏はバイデン氏の長年の朋友で、オバマ政権で国務副長官や、国家安全保障担当の大統領副補佐官を務めた。ブリンケン氏をよく知る人物によると、ブリンケン氏は「外交官中の外交官」で、思慮深く、話し方は比較的穏やかだが、政策に精通しているという。

サリバン氏はオバマ政権の大統領副補佐官や、2016年の大統領選で民主党候補ヒラリー陣営の上級政策顧問を務めた。

トーマス・グリーンフィールド氏は黒人女性で、オバマ政権で国務次官補(アフリカ担当)を務めた。

マヨルカス氏は、国土安全保障長官に就任すれば中南米系および外国出身者では初めてとなる。24日に61歳になる同氏はハバナで生まれ、およそ1歳の頃に家族とともに共産党が統治するキューバから逃れてきた。

オバマ政権で市民権・移民となる局(USCIS)局長を務め、幼少期に米国に連れてこられて不法移民になった「ドリーマー」の在留を認める措置「DACA」の導入を主導した。DACAに共和党は批判的で、マヨルカス氏が指名された場合、上院で同党が反対してもおかしくない。

ケリー氏の任命に上院の承認は不要。バイデン陣営によると、ケリー氏は米国家安全保障会議(NSC)のメンバーに加わる予定。政府の高官がNSC内で気候変動の担当となるのは初めて。ケリー氏は気候変動問題を「世界で最も恐ろしい大量破壊兵器」と捉えており、気候変動への取り組みに協力が必要と訴えた。

また昨年、気候変動に取り組むために世界の指導者や著名人からなるグループ「ワールド・ウォー・ゼロ」を立ち上げた。

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