[東京 18日 ロイター] - 18日午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比197円44銭安の2万5817円18銭となり、反落した。前日の米株式市場が軟調な動きとなったことに加え、ドル/円相場が104円台前半と円高に振れたことを受け、日本株市場も朝方から幅広い業種で売りが先行。一時300円を超えるマイナスとなった。ただ、その後は下げ渋り、下げ幅は縮小した。

TOPIXは0.53%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆0072億円と薄商い。東証33業種中、鉱業、石油・石炭製品、不動産業の3業種は値上がり。非鉄金属、海運業、空運業、輸送用機器など30業種は値下がりした。

市場からは「短期的な上昇の過熱感に加えて、ドル/円相場がやや円高に振れていることが相場の重しとなっている。ただ、日経平均はこの後大きく下げる可能性は低く、後場もマイナス圏でのもみあいが続くのではないか」(SMBC信託銀行のシニアマーケットアナリスト、山口真弘氏)との声が聞かれた。

個別では、ナノキャリア<4571.T>が上昇。米モデルナ<MRNA.O>とファイザー<PFE.N>が、新型コロナウイルスワクチンに「メッセンジャーRNA(mRNA)」技術と呼ぶ新手法を導入したことを材料視し、ワクチンを含むRNA医薬品の開発を手掛ける同社の株に買いが集まった。株価は一時15%を超えるプラスとなった。

相場全体の地合いが悪い中、個別の材料を手掛かりに銘柄を買おうとする市場のムードが追い風となっているほか、「短期筋を中心とした個人投資家のマネーがマザーズ市場に流れているようだ」(国内証券)という。

東証1部の騰落数は、値上がり765銘柄に対し、値下がりが1291銘柄、変わらずが117銘柄だった。