[17日 ロイター] - 米大統領選の結果を巡り、トランプ陣営がペンシルベニア州当局によるバイデン前副大統領の勝利認定を阻止するために同州連邦地裁に起こした訴訟の審理が17日に開かれ、判事は認定を阻止すれば州の全有権者の権利を事実上奪うことになるとの懐疑的な見解を示した。

判事は「突き詰めれば、680万票を無効にし、州内の全ての有権者の権利を奪うようこの裁判所に申し立てているということだ」と指摘。「そのような帰結を果たしてどのように正当化できるか、説明してほしい」とした。

判事は直ぐに判決を出さない意向を示し、当事者に資料の提出を求めた。

トランプ大統領の顧問弁護士、ジュリアーニ元ニューヨーク市長は「広範囲にわたって全国的な有権者の不正行為」があったと主張。ただ、訴えを裏付ける証拠はほとんど示さなかった。

一方、ペンシルベニア州の複数の郡の代理人を務める弁護士は、ジュリアーニ氏は「空想の世界に暮らしている」とし、判事にトランプ陣営の訴えを棄却するよう求めた。

トランプ陣営は15日、申し立ての修正版で、同州フィラデルフィアとピッツバーグで監視人が郵便投票の集計を監視するのを選挙当局者が違法に阻止したとの主張を取り下げた。これにより、有権者が郵便投票のエラーを修正することが違法に認められたとの主張が争点となるが、当局は訴訟の行方によって影響を受ける票数は限定的だとしている。[nL4N2I21CR]

同州のブックバー州務長官は来週23日に選挙結果の認定を行う予定。

同州での得票率はバイデン氏が49.9%、トランプ氏が48.8%で、7万票以上の差がついている。

一方、ペンシルベニア州最高裁判所は同日、トランプ陣営が起こした別の訴訟について、州の最大都市フィラデルフィアの選挙委員会がトランプ陣営の監視員を開票作業台の4.5メートルの範囲に入れさせなかったのは妥当との判断を示し、同陣営の上訴を退けた。

*内容を追加しました。