2020/11/17

【大誤算】憧れの「デジタルノマド」でトラブル続出

The New York Times

自宅を「脱出」する人々

新型コロナウイルスのパンデミックは、特定の職種の人々から時間や空間の概念を取り払った。
アメリカでは多くの人が、子どもの世話や収入の減少、病気になった親族の介護のため身動きの取れない状態にあったが、どこにいてもできる安定した仕事があり、縛られるもののない人々にとっては、パンデミックは自分の好きなように仕事ができるチャンスでもあった。
身動きの取れない人々にとって、彼らの論理はうらやましい限りだった。「自宅勤務が無期限に続くなら、ちょっと変わった場所を『新しい自宅』にすればいい」という論理だ。
彼らはマックブックとパスポート、N95(医療用)マスクを携え、「デジタルノマド」になった。平日に閑散としたバリのビーチリゾートからインスタグラムを投稿し、飾り立てたキャンピングカーからZoomミーティングに出席した。
トゥルム(メキシコ)にあるAirbnbの宿泊施設のバルコニーをオフィス代わりにしたり、州立公園内にあるWi-Fi完備のキャンプ場を予約した人もいる。カリブ海諸国が大々的に売り込んでいたリモートワーク向け専用ビザ発行計画に応募したのは、彼らのような人々だ。
(Olezzo/Getty Images)

入国拒否でたらい回しに