[ワシントン 12日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)の金中夏理事(中国出身)は12日、「特別引き出し権(SDR)」の新規分配について、現状では米国が慎重姿勢ながら将来的には合意を得られることに期待感を示した。

ボストン大学の関連研究機関主催のオンラインイベントで発言した金氏は、多くの低所得国の流動性問題が対外債務の支払い不能に発展すれば、SDRの新規分配に対する米国も反対姿勢から転じる可能性があるとの見解を示した。

金氏は、大規模なSDRの新規分配は「極めて良いアイデア」であり、加盟国の多くに支持されていると指摘した。

同氏は「IMFがSDRを大量に発行するのは、特に低所得国の対外債務支払い不能問題には極めて適切だ」と協調、「IMF理事会内で今後、合意が得られると期待している」と語った。

SDRの新規分配案は、ゲオルギエワIMF専務理事がパンデミック初期に提唱したが、米国が反対した。

IMFは金融危機の2009年にも、同様にSDRを分配した。米国で当時副大統領だったバイデン氏の大統領就任が確実となったことで、IMF加盟国の一部からはSDRの分配案合意に期待が強まっている。