[東京 11日 ロイター] - 11日午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比432円93銭高の2万5338円52銭となり、大幅続伸。朝方の買いが一巡した後は伸び悩む場面があったものの、時間外取引で米株先物が堅調に推移していることを受け上値追いに転じた。ショートカバーが活発化し、踏み上げの状態が続いている。内外機関投資家の買いも観測され、日経平均は前日高値2万5279円94銭を上回り連日の年初来高値更新となった。

10日の米国株式市場は、ダウが続伸したが、ナスダックは続落、S&P500も小反落となりまちまちの展開となった。新型コロナウイルスワクチンの開発が進展し、景気回復を支えるとの期待感から、ロックダウン(都市封鎖)の恩恵を受けたハイテク株が売られる一方、ワクチン普及への期待から景気敏感株への買いが続いた。

日本株は朝方から買い優勢となったものの、急な上昇に対する警戒感も生じているため、一時的に伸び悩んだ。しかし「過熱感が生じていることは確かだが、モメンタムが強い段階で売り仕掛けした投資家が少なくなく、底堅い基調に変わりがないことから踏まされた格好だ」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との声もあり、前場中ごろから上げに弾みを加えて高値引けとなった。

TOPIXは1.34%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆6320億2900万円と引き続き商いが膨らんでいる。東証33業種では、鉱業、不動産業、保険業などを中心に31業種が上昇、空運業とその他製品が値下がりした。

個別では、トヨタ自動車<7203.T>、ソニー<6758.T>など主力の輸出関連株が総じて堅調。指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>も大幅高となった一方、任天堂<7974.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>はさえない。

東証1部の騰落数は、値上がりが1478銘柄、値下がりが605銘柄、変わらずが92銘柄だった。