[ブリュッセル 10日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は10日、米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領が率いる次期政権の下で、気候変動やデジタル経済などの分野で米国と新たなアライアンスを構築する必要があるとの考えを示した。

フォンデアライエン委員長は世界各地のEU大使への演説で「欧米のアライアンスは共通の価値観と歴史の上に立脚している」とし、EUは米国の次期政権に対し、ともに取り組んで行く姿勢を表明する必要があると指摘。世界情勢が変化する中、現在の世界情勢に合致する新たな欧米関係を構築すべきと述べた。

フォンデアライエン氏は当選を確実にしたバイデン氏と副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員に祝意を表明。ただ、現職のトランプ大統領には言及しなかった。トランプ氏は大統領選での敗北を認めていない。

米国は大統領選の翌日の今月4日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から正式に離脱。バイデン氏は協定への復帰を表明しており、フォンデアライエン氏も復帰を期待していると述べた。