[シドニー 10日 ロイター] - ショナル・オーストラリア銀行(NAB)<NAB.AX>が発表した10月の豪企信頼感指数は、2019年年央以来の高水準を記録した。ただ、雇用と今後の受注動向を示す指数はマイナス圏にとどまった。

信頼感指数は9ポイント上昇し、プラス5を記録。景況感指数は1ポイント上昇しプラス1となった。

景況感指数は新型コロナウイルスの影響で4月にマイナス34を記録したが、その後は改善している。ただ、長期平均のプラス6は依然下回っている。

NABは「調査結果は引き続き、経済が2020年上期の大幅な落ち込みから上向き、経済再開に伴い回復が続く可能性が高いことを示している」と説明した。

「信頼感の改善は心強いが、まだぜい弱で、(新型コロナの)ワクチンが確保できるまでその状態が続く可能性が高い」と指摘した。

景況感指数の改善は、3つの構成要因全てが上昇したことに支えられた。取引と収益を示す指数はプラス圏となった。

一方、雇用指数はマイナス圏にとどまっている。

将来の受注に関する指数はマイナス4に上昇。設備稼働率は77.9%に上昇した。

調査は、ビクトリア州が数週間続いたロックダウン(都市封鎖)を経て経済再開を発表した頃の10月最終週に実施された。同州では、企業信頼感と景況感は共に大きく改善した。