2020/11/10

【中国発】新ハブ「海南島」は、ポスト香港になれるのか?

The New York Times

自由貿易の新たな拠点を目指して

税金は安い。免税で買い物ができる。砂浜のビーチもある。そればかりでなく、地元当局は観光客にヨットまで買わせたがっている。
南シナ海にある海南島は、メリーランド州ほどのサイズの島だ。中国はこの島を自由貿易港として売り出し、国際的な商業のハブにしたいと考えている。
人口950万人の海南島は、避寒地としてにぎわってきた。この島は今、観光とビジネスの拠点へと変身し、グローバル企業や世界を股にかける金融業者、金払いのいい買い物客を集めるために、新たな誘致策を打ち出している。
中国にはすでに同じような場所がある。人口750万人の香港だ。しかし、いまや香港の将来は疑問視されている。昨年の民主化運動の後、中国政府は厳格な国家安全保障法を施行し、反中国派を弾圧することによって、香港を無理やり従わせてきた。
こうした一連の騒動で、長年にわたり自由経済のとりでだった香港が致命傷を負ったかどうかはまだわからない。しかし、海南島を香港のように変身させることは、中国にとって金融と商業の拠点を維持する次善の策となるだろう。
(Tatiana Dyuvbanova/EyeEm)

ショッピングの分野で台頭