チェーンからウェブへ ーー DXは物流業界を新たなステージに導くか?
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軍隊用語で兵站学(いかに軍隊に進軍に必要な物資を届けるか)を表すロジスティックスをなぜか物流(physical distribution)の意味で使うのは、日本では一般的だ。
それだけ小売や製造における「兵站学」が勝敗を分ける時代であったし、それは今でも続いているのは、いっとき前の「物流クライシス」での各社のざわつきをみてもよくわかる。
日本はとりわけEC化率の進捗が悪かったため、今後ますますこの物流への熱視線は続くだろう。
現在のところ、汎用的なピッキングロボットやドローンがアルバイトよりも高いレベルの費用対効果になるかは技術的な問題が大きいだろうが、それ以上に各社の事業戦略や商習慣の問題も大きく立ちはだかる。
海上運輸ではコンテナが世界を変えたし、インターネットではパケット交換網が世界を変えた。同じようにラストワンマイルや陸上運輸の物流規格・データ規格が揃っていくことで世界が変わって行くかもしれない。このような物流のインターネット化が進むかどうかはこれからの日本にとって面白いテーマだ。チェーンからWebへ。論理的には正しいと思いますが、実現するには莫大なシステム投資がかかりそうです。今のシステムは放っておいて一から作ったほうが早いくらい。それと、1社だけ頑張ってもどうにもならないところも厳しい。物流&サプライチェーンの改革は皆やろうとしているのになかなか進まないのです。
そもそも「兵站」である所のロジスティックスを「物流」と呼ぶことそのものが、日本のロジスティクス軽視を表しているとも言えますね。
元々はロジスティクス用語の"Physical Distribution"を「物的流通」、都市計画用語の"Frieight Transportation"を「物資流動」と訳していたのを、「物流」と一緒くたに略したものです。前者は、広範に及ぶロジスティクスにおける流通の物理的流通を指すのに対し、後者は都市計画上の貨物車交通を指します。
この様な状態になった背景には、日露戦争の成功体験から兵站軽視が始まり、戦後は「兵站学」という軍事研究を避け、自動車産業が発展し道路建設が大きな利権となるなかで、車輌と道路を中心とした考え方になってしまったことが影響したのではと推察します。
チェーンからウェブという発想は、荷物を規格化し(πコンテナ)、モノがまさにインターネットウェブの様に自由に行き来するMontreuil等の"Physical Internet"構想や、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が提唱する「パケット・ルーティング・システム」にも通じますね。
『ロジスティクスコンセプト2030』
https://www1.logistics.or.jp/news/detail.html?itemid=243&dispmid=703
日本でも荷物の規格化の話し合いは始まりましたが、ヤマト、佐川、日本郵便の三社ともそれぞれの得意分野が微妙に違うので、簡単ではないですね。
仕分け作業を行うセンターの投資、幹線道路との配置関係、など様々な要素を考慮する必要がありそうです。