[4日 ロイター] -

<為替> ドルが主要通貨バスケットに対し上昇。米民主党が上院で過半数を獲得できない見通しになり、大規模な財政支出への期待が後退した。

3日に投開票された米大統領選は、4日に入っても勝敗の行方が決まらない大接戦に。

予想された「ブルーウェーブ」(民主党の圧勝)は起こらず、共和党が上院の多数派を維持する見込みで、大規模な支出拡大には反対するとみられている。

CIBCキャピタル・マーケッツの北米外為戦略部門責任者は「共和党が上院を制した場合、追加の景気刺激策を実施するのは極めて難しくなり、これまでの「ブルーウェーブ」を見越した取引の一部は解消される必要があるだろう。ドルにとっては、おそらく売りポジションの手じまいになる」と予想した。

ドル指数<=USD>は0.27%高の93.39。オーバーナイト取引では1カ月ぶりの高値となる94.31を付けた。

ユーロ<EUR=>は0.09%高の1.1722ドル。一時は7月24日以来の安値となる1.1602ドルまで下げた。ドル/円<JPY=>はほぼ横ばいの104.44円。

開票状況でバイデン氏がリードしているとの見方から、オフショア人民元<CNH=>は午後の取引で1ドル=6.6190元と、2年超ぶりの高値に上昇。元はオーバーナイト取引で1カ月ぶり安値の6.7741元を付けていた。

この日はリスク選好度が強まり、株式市場の上昇でドル上昇が限定的になった可能性が高い。ただ、選挙結果を巡り法的で争われる可能性から、今後数日から数週間の間にリスクテークが後退する可能性もあり、そうなればドルはさらに押し上げられる見込み。

<債券> 国債利回りが低下。米大統領選の開票が進む中、新型コロナウイルス経済対策の規模が小幅になるとの見方が相場に影響した。

3日に投開票された大統領選は、4日に入っても勝敗の行方が決まらず接戦に。議会選は下院で民主党が、上院で共和党が、それぞれ過半数を維持し、「ねじれ議会」が継続する見込みだ。

10年債利回り<US10YT=RR>は一時0.756%に低下し、その後は0.7696%。30年債利回り<US30YT=RR>は1.5484%。一時1.757%を付けた。

シタデル・セキュリティーズの米国債トレーディング部長、マイケル・デパス氏は「きのうの午後の段階で、市場はおそらく(民主党の)勝利確率を70─75%程度とみていた。イールドカーブの後ろ端ではかなりの売り圧力があった」とした上で、バイデン氏の圧勝ではないと判明すると、市場のトーンが一変したと述べた。

バイデン氏が勝利しても、上院は共和党が過半数を握る見込みで、追加のコロナ経済対策は規模の縮小が予想される。上院共和党トップのマコネル院内総務は4日、議会は年内に追加のコロナ対策法案を承認する必要があるとの考えを示した。

2年債と10年債の利回り格差<US2US10=RR>は一時77bpと3月中旬の水準に拡大。その後は62.30bp。

<株式> 大幅に続伸して終了。3日に投開票された米大統領選は、4日に入っても勝敗の行方が決まらず不透明感が漂っているが、上院選で民主党の過半数獲得が厳しい情勢となっていることから、議会で膠着状態が続き大きな政策転換はなさそうだとの楽観的な見方が高まった。

大統領選までの数カ月間と状況は変わらないとの見方から、この期間にバリュー株<.RLV>をアウトパフォームしてきた成長株<.RLG>が買われた。

民主党候補のバイデン氏は4日夜の時点でウィスコンシン州でわずかにリードを保っている。一方、トランプ氏の陣営は同州で票の集計停止を求めて提訴した。

S&P総合500種<.SPX>は1日の上昇率としては6月5日以来、ナスダック総合<.IXIC>は4月14日以来の大きさを記録した。

S&Pヘルスケア株指数<.SPXHC>は4.45%上昇し、過去最高値で終了。約7カ月ぶりの大幅な上昇率となった。情報技術株<.SPLRCT>も大きく値上がりした。議会のねじれが続けば、反トラスト法(独占禁止法)を巡る監視強化や医療保険制度改革法(オバマケア)の一部復活などが実施される可能性が低下するとの見方が背景。

<金先物> 米大統領選挙の結果待ちで方向感のない商いとなる中、利益確定売りの台頭で4営業日ぶりに反落。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比14.20ドル安の1オンス=1896.20ドル。

<米原油先物> 米週間原油在庫の急減や有力産油国による減産規模拡大への期待などを背景に買われ、3日続伸。米国産標準油種WTI12月物の清算値(終値に相当)は前日比1.49ドル(3.96%)高の1バレル=39.15ドルと、中心限月ベースで1週間ぶりの高値となった。1月物の清算値は1.48ドル高の39.47ドル。

米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した10月31日までの1週間の米原油在 庫は前週比800万バレル減と、90万バレルの積み増し予想(ロイター調査) に反して大幅な取り崩しとなった。これをきっかけに買い進まれ、相場は終盤に一時39. 25ドルまで上昇。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国ロシアが、現行の日量7 70万バレルの減産措置について、減産幅を来年初めからさらに拡大することを検討して いると伝わったことも、なお買い材料視された。

ドル/円 NY終値 104.48/104.55 <JPY22H=>

始値 104.46 <JPY=>

高値 104.62

安値 104.16

ユーロ/ドル NY終値 1.1722/1.1726 <EUR22H=>

始値 1.1707 <EUR=>

高値 1.1745

安値 1.1681

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 95*30.00 1.5457% <US30YT=RR>

前営業日終値 93*14.50 1.6540%

10年債(指標銘柄) 17時05分 98*20.00 0.7713% <US10YT=RR>

前営業日終値 97*19.50 0.8810%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*19.00 0.3322% <US5YT=RR>

前営業日終値 99*09.75 0.3910%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*30.50 0.1487% <US2YT=RR>

前営業日終値 99*29.25 0.1680%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 27847.66 +367.63 +1.34 <.DJI>

前営業日終値 27480.03

ナスダック総合 11590.78 +430.21 +3.85 <.IXIC>

前営業日終値 11160.57

S&P総合500種 3443.44 +74.28 +2.20 <.SPX>

前営業日終値 3369.16

COMEX金 12月限 1896.2 ‐14.2 <GCv1><0#GC:>

前営業日終値 1910.4

COMEX銀 12月限 2389.3 ‐44.1 <SIv1><0#SI:>

前営業日終値 2433.4

北海ブレント 1月限 41.23 +1.52 <LCOc1><0#LCO:>

前営業日終値 39.71

米WTI先物 12月限 39.15 +1.49 <CLc1><0#CL:>

前営業日終値 37.66

CRB商品指数 148.9042 +1.8812 <.TRCCRB>

前営業日終値 147.0230