2020/11/1

【証言】ビル・ゲイツを追い込んだ男、「グーグル訴訟」を語る

NewsPicks編集部 記者
20年前のマイクロソフト訴訟がなければ、今のグーグルはなかった──。
そう証言するのは、「ビル・ゲイツの悪夢」の異名を持つシリコンバレーの弁護士、ゲイリー・リーバック氏だ。
リーバック氏は、1990年代にマイクロソフトの反トラスト法(独禁法)違反の証拠を集めていた弁護士で、司法省に提訴するよう説得した中心人物だ。
1998年に司法省が起こした提訴は、最終的には和解に至り、マイクロソフトが分割されることはなかった。
しかし、巨人を「萎縮」させて次世代企業の成長を促した訴訟プロセス自体に意味があったのだと、リーバック氏は語る。
20年前は新参者の立場で命拾いをしたグーグルが、今度は訴えられる番となった。
今回の訴訟は何を意味し、これから何が起きるのか。
IT業界の反トラスト法訴訟に精通し、巨大IT企業の栄枯盛衰を見てきたリーバック氏による解説をお届けする。

グーグル提訴は「司法省有利」

──マイクロソフト訴訟では、連邦地裁で司法省が勝利しました。今回のグーグル訴訟の行方をどう考えますか。
私は、司法省の主張には説得力があると思います。
彼らが問題にしているのは、「グーグルが契約やインセンティブを利用して、あらゆる検索のデフォルトの位置を確保している」ことです。
これについて違法性を示せる可能性は高いと思います。つまり、司法省が勝つ可能性が高いのではないでしょうか。