[東京 29日 ロイター] - 29日午前の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比156円53銭安の2万3261円98銭となり、続落した。新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて前日の米国株式相場が大幅安となり、日本株市場も朝方から全面安となった。だが、幅広い業種で売りが先行する中、決算発表を手掛かりに好業績銘柄では買いが入り、相場を下支えした。

TOPIXは0.48%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆0012億円と薄商い。東証33業種中、電気機器、医薬品、銀行業の3業種が値上がり。一方、30業種は値下がりし、証券業、石油・石炭製品、鉄鋼、サービス業などが下がり率上位に入った。

個別では、ソニー<6758.T>が高い。28日、2021年3月期の営業利益(米国基準)予想を従来の6200億円から7000億円に上方修正したことが好感され、株価は6%高となり、日経平均を20円ほど押し上げる要因となった。その他、小糸製作所<7276.T>や理研ビタミン<4526.T>も堅調。

新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて欧米では株式相場が連日大幅安となる中、日本株式相場の大幅下落は回避できている。市場からは「決算発表前から欧米に比べて日本株はしっかりした動きをしていたことに加え、新政権で行政改革がスムーズに進んでいる点や米株の割高感が出始めた点などを総合的にみて、国際分散投資の観点から日本株にマネーが集まっているのではないか」(SBI証券の投資調査部長、鈴木英之氏)との声が聞かれた。

東証1部の騰落数は、値上がり383に対し、値下がりが1713銘柄、変わらずが81銘柄だった。