米ブラックストーン、日本の富裕層から資金調達
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米国では資金の1割が個人というのが凄いですね。
所謂投資ファンドに出資してもらうとすると、適格機関投資家(QII)でない投資家(法人、組合、個人)からは49人までしか募集できない(それを超えると実務的ハードルが段違いに高くなるので、同じ仕組みでは実質不可能)ため、基本的に多人数の募集は意図されていません。個人が適格機関投資家となるためには、保有する有価証券残高が10億円を安定的に上回っている必要があります。
仮に適格機関投資家に該当したとしても、数億円程度のショットで少しずつ集めるのはブラックストーンのファンドサイズでは気が遠くなる一方、事務が煩雑になりそうですが、そこはブラックストーンならでは、効率よく管理する機能が既にあるのかなと想像しています。上記の規模の個人を集めても、ボリュームが限定的なので大して分散化にはならないとは思います。
他方、もしかしたら不特定多数への募集をはじめから想定して有価証券を販売する(アップフロントでお金も丸ごと貰う)という、REITや投資信託に近い仕組みを想定しているのかもしれません。そうだとすると、小口でも問題ないですし、本体のファンドよりは投資家の投資効率は下がりますが、一般的な投資商品よりは良いリターンを与えられそうです。日本の富裕層を対象としたリテールバンキングビジネスからは、スタンダード・チャータード銀行、HSBC、Citibankなどのグローバルな金融機関は既に撤退しているため、資産運用について頭を悩ませている富裕層は、潜在的には相当な数にのぼります。
「日本で大手投資ファンドが個人から本格的に資金を集めるのは初」とのことですが、どれだけの資金を調達できるか非常に興味深いですね。日本の金融機関にも、負けずに頑張って欲しいと思います。ブラックストーンの創業者でありCEOのスティーブン・シュワルツマン氏は資金集めの天才だとも言われているので、「日本の富裕層からファンドの資金募集を始める」、と記事にありますが、かなり資金調達出来るのではないでしょうか。
そもそも私が卒業した、清華大学シュワルツマン大学院はシュワルツマン氏の自己資産と多方面から集めた寄付によって、生徒は返済不要の全額奨学金で修士号を取得することができます。直近でシュワルツマン氏のカリスマ性を見てきたからこそ、日本での投資事業の拡大に期待しています。