2020/10/26

【大変動】「ポッドキャスト」の稼ぎ方

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この記事は、NewsPicksのグループメディア米Quartzの特集「The podcast business(ザ・ポッドキャスト・ビジネス)」の1記事の抜粋翻訳です。あわせて、日本版Quartz Japanがニュースレターとしてお届けする「Guides:#27 ポッドキャストの時代性」もご覧ください。

1000億円の広告市場

デーブ・ゾーロブが、初めてポッドキャストを制作したのは2018年のこと。
会社の掃除用具入れの中で、テクノロジー系ニュースを録音したのだ。そのニュース『ハッカーデイリー』は、配信初日に2000近くのダウンロード数を記録した。
ゾーロブは今、ポッドキャストのエンゲージメントを可視化する「チャータブル(Chartable)」というスタートアップを経営している。制作者やプラットフォームに各種メトリックスを提供することで、ポッドキャストをデジタルオーディオの未来の担い手にしようというのだ。
彼のキャリアは、この2年ほどのポッドキャストを取り巻く世界の急速な成長と一致している。いまや米国のポッドキャスト・リスナーは1億人を超えるが、制作者は十分な利益をあげるのに苦労してきた。
その最大の原因は、昔ながらの配信方法では、リスナーに関するデータを集めることが事実上不可能なため、効果的な広告のプラットフォームになれなかったためだ。
だが今、チャータブルのようにメトリクスを提供する企業が続々登場してきた結果、ポッドキャストにも大手ブランドの広告が入りやすくなってきた。米国では今年、ポッドキャスト広告への投資額は約10億ドルに達する見通しだ。
ということは、ポッドキャストもインターネットと同じ道をたどるのか。
つまり、技術オタクがDIY的に成長させてきたスペースが、データ収集・活用に血眼になる大手テクノロジー企業の支配する世界に変わるのか。
いや、ポッドキャストは大丈夫だ――。この分野のベテランたちはそう言う。
一部の大人気番組を成功させた、この業界特有の独立スピリットが、インターネットと同じ運命をたどることを回避させてくれるだろうというのだ。

ポッドキャストの歴史