落ち着いたトランプ。バイデンも健康不安は全く見えず。その意味でとても大統領らしい討論会だったと思います。ただ、政策の内容はこれまでの主張の繰り返し。その意味で大きな変化はなし。光ったモデレータのウエルカー。アフリカ系とネィティブアメリカンの血筋のこのエリート女性がアメリカの人種問題を尋ねると、両者も真剣に反応せざるを得ず。トランプ氏の「The least racist president(今日は in this room)」とウエルカーへの言葉への解釈は、どちらの支持かで大きく異なるところ。現職の大統領と前副大統領、どちらもあらを探せばいろいろ出てくるのが前提。どちらも「弁明」しないといけない部分も。政策では北朝鮮への対応などがどうしても具体的に踏み込めない感じ。進まないコロナ対応法案について、「なぜが動くように議会に働きかけないのか」ときかれたときのバイデン氏のムカッとした顔はかつての「猛犬」が戻ってきた感じ。
第1回目の討論会よりはキャッチボールがあったし、モデレータのウェルカーは、第1回のワラスよりもコントロールしていた。
ただ、バイデンが支持率でリードしている理由が、私にはわからない。ツイッターで約7分の1しかフォロワーがなく、熱狂的な選挙集会もない。「熱」にかけた選挙戦で、どうやって勝つのか。支持率リードの秘密はどこにあるのか。
トランプ氏はNYポスト紙報道がFBから削除された一件、バイデン氏の息子のウクライナ疑惑を最大限利用して反攻のきっかけをつかもうとするでしょう。トランプ氏の振る舞いに注目が集まりますが、バイデン氏がウクライナ問題についてどう語るのかも注目したいところです。
一方、バイデンはスタンプのスピーチを多く使ったね。アメリカ全体に話す戦略ですね。
ひたすらバイデン氏を遮った前回に比べ、伝えたいメッセージがはっきりしていました。
コロナの拡大は中国のせいで、自らの感染・治癒を挙げて「コロナと共に生きていく」として、学校や経済の再開を主張。
時間が経つにつれてヒートアップしたバイデン氏への個人攻撃も「All talk no action」と8年間のオバマ政権時代になぜ政策を実現しなかったのかと批判。
そして自らの功績として経済を強調。黒人層をはじめコロナ禍前の好調な雇用状況などに触れて「成功が我々を一つにする」と最後に締めました。
一方のバイデン氏はいまだに米国民は「コロナと共に死んで行っている」とトランプ政権の対応を批判し「暗い冬が待ち構えている」と主張。
人種差別を煽るトランプ氏に対して自分は「アメリカの大統領」として全国民が代表される社会を作るとして、この選挙はこの国の品格がかかっていると訴えました。
各種世論調査でバイデン氏にリードされているトランプ氏が、やっと自分の強みである経済に焦点を当ててきた感じですが、それをもって残り10日あまりで激戦州をものにできるかが最大の注目点です。
コロナ対策は「封鎖」か「オープン」か。トランプ氏は、民主党知事の州は「封鎖」により、コロナも経済も悪くなっていると攻撃。これまでのところ議論にはなっているように思えます。トランプ氏が述べているデータのFACTチェックは要るものの、話は分かりやすいところを突いているように思えます。そして少しカメラ目線を意識。
序盤、お互い冷静にみえます。