[21日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は21日、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に対する新たなアプローチは低金利・低インフレ下でFRBの経済に対する影響力を高めるが、金融安定リスクを注視し続ける必要があると述べた。

オンラインイベントで、強いインフレ圧力と金融安定リスクが存在しなければ、雇用が堅調なだけではFRBの懸念要因にならないことを新たな枠組みは明確にしていると指摘。

ただ、低金利が借り入れ増加や財務レバレッジの上昇、イールド・ハンティング(利回り追求)の動きなどを促す可能性に留意する必要があるとし、「マクロ経済の安定につながる金融政策は金融の安定を促進する一方、中立金利が低い環境下では持続的な緩和政策が場合によっては金融システムの脆弱性を高める可能性がある」とした。

また、「低金利下で、金融政策と金融安定とのつながりに対する最善のアプローチ法を巡り、一段の検証が必要だ」と語った。

さらに、一般の人々が金融政策を理解し、インフレ期待により良い影響を与えるために、FRBにはやるべきことがまだあるとも指摘。

新たな枠組み発表直後に行われた調査では、金融政策の目標は政府の借り入れコストを下げることだと答えた人の方が多く、FRBの責務である物価安定と雇用最大化について認識している人は少ないことが分かったとも述べた。

*内容を追加しました。