(ブルームバーグ): 米国では黒人の住宅ローン借り手がローン期間を通じて負担する利子や抵当保険料、税金などのコストが白人より1万3464ドル(約141万9000円)多いことが、最新の調査で明らかになった。

米連邦住宅局(FHA)のエド・ゴールディング元局長らがまとめた調査報告によると、国内住宅ローンの大半でリスクベースの価格設定が用いられていることが、この格差を生む最大の原因。黒人の借り手は頭金として支払う額が比較的少なく、信用スコアが低い傾向にあるため、不利な立場に置かれるという。頭金が少なければその分、抵当保険の保険料が増えることも調査で判明した。

調査では意図的に所得の格差という要因を調整しなかった。リスクベースの融資条件設定は政府後援の住宅金融機関で広く採用されており、白人・黒人間の持ち家率格差を解消する意思が議会にあれば変えられる政策選択だと、ゴールディング氏は指摘した。

住宅ローンの支払い負担が比較的大きいがために、アフリカ系アメリカ人の退職後への備えは6万7320ドル少なく、「黒人家族が白人家族と同じように住宅財産を築くことを不可能にする」不公平が生じているとも指摘。こうした追加負担は住宅所有における「黒人税」だと、同調査は表現した。

原題:Black Homeowners Pay $13,464 More on Their Mortgages, Study Says(抜粋)

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