[19日 ロイター] - 中国の電子商取引大手アリババ・グループ<BABA.N> <9988.HK>は19日、ハイパーマーケット運営の中国サン・アート・リテール<6808.HK>に36億ドル出資し、保有率を70%強に引き上げる計画を明らかにした。急拡大する同国の小売市場で足場を固める。

新型コロナウイルスの世界的流行で消費者のネットショッピングへのシフトが加速するなか、アリババは自らのネット販売でのシェアを活用して、サン・アートが中国で運営するハイパーマーケット481店舗と中堅ス―パー3店舗を支援する考え。

アリババは子会社を通じて既にサン・アートの21%を保有。サン・アートの51%を保有するA─RTリテール・ホールディングスへの出資を通じて、サン・アートの保有率を約72%に引き上げる。

アリババの張勇(ダニエル・チャン)最高経営責任者(CEO)は「新型コロナの世界的大流行で消費者の生活様式と企業経営のデジタル化が加速する中、サン・アートへの出資によって当社の『新しい小売り』のビジョンを強化し、完全に一体化されたサービスをさらに多くの顧客に提供することになる」とした。

アリババの発表を受けて、サン・アートの株価はこの日の寄り付きで20%あまり急騰した。

アリババはネット通販の配送拠点でもある傘下の生鮮スーパー「盒馬(フーマー)鮮生」の店舗を中国全土に広げてきた。直近の決算発表によると、店舗数は214に上る。

同社はまた、コンビニのオーナーと連携し、技術やデータ分析サービスを提供してきた。

アリババの国内の競合各社も同様に、実店舗の小売業に進出している。

京東商城(JDドットコム)<9618.HK>は「7フレッシュ」と呼ばれる生鮮スーパーを展開しており、ピンドゥオドゥオ<PDD.O>は8月に家電小売の国美零售(GOMEリテール・ホールディングス)に2億ドル出資した。

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