[ワシントン 14日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のビトール・ガスパール財政局長は14日、中国の新型コロナウイルス感染拡大に対応する財政刺激策について、焦点を財生産のための投資から消費支援と社会的安全網の拡充に移す必要があると述べた。

中国は対外不均衡の解消につながる、「国内ダイナミズム」に基づく新たな成長モデルに移行する必要があるとガスパール局長は指摘。「安全網の拡充が家計の支援になり、重要事項は投資から他に移行していく可能性がある」と述べた。

IMFが14日に公表した財政モニターによると、中国の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は2020年に5.6%ポイント上昇し、11.9%に達する見通し。これに対し、米国は12%ポイント上昇し、19%近辺になると予想されている。

IMFは中国が20年にプラス成長を確保する唯一の国になると予想しているが、ガスパール局長は、それでも中国の長期的な潜在成長力は新型ウイルス感染拡大の影響を免れないと指摘。金融安定に焦点を維持すると同時に、新型ウイルス感染症の治療薬やワクチンなどの面で他の国と協力することが重要だと述べた。

このほか、中国は貧困国の債務返済猶予を支援し、債務の透明性を確保する必要があると指摘。通商問題に「建設的に」対応し、気候変動に関する重要問題での合意を推し進める必要があるとの考えを示した。