[パリ 12日 ロイター] - フランス経済・財務省は12日、環境汚染につながるシェールオイルなど石油開発事業について、政府による輸出保証の提供を来年から停止すると発表した。2025年から全油種を、35年からはガスも対象とする方針。  

フランス政府は今年、水圧破砕法(フラッキング)と燃焼処理(フレアリング)を伴う開発事業への輸出保証提供を停止したほか、石炭開発への資金援助も打ち切った。

経済・財務省は12日、議会に提出した法案で、重質油、シェールオイル、ビチューメン(オイルサンド層から採取される超重質油)などの開発事業も、21年以降は保証を停止する方針を示した。これにより、最大700人の新規雇用創出に影響が出るとみられている。  

さらに25年以降は、新規油田の探査・開発事業への公的輸出保証がなくなり、1800人の雇用が失われる見通し。35年からは新規ガス田開発も対象となり、3000人の雇用に影響する可能性がある。  

ルメール経済・財務相は記者団に対し「輸出金融によって政府が海外での化石燃料事業を支援することを望んでいない」と説明した。

経済・財務省によると、政府は過去10年間で石油・ガス業界に45億ユーロ(53億ドル)相当の輸出保証を提供してきたが、5月時点でこのうち60%が未払いのままという。  

同省関係筋は、進行中の主要プロジェクトのうち、仏石油・ガス大手トタル<TOTF.PA>がモザンビークで進めている200億ドル規模の液化天然ガス(LNG)事業について、同社は輸出保証を要請していないと説明。また、トタルが参画するロシア北極圏LNG事業に関しても何も決定していないという。