[東京 12日 ロイター] - 内閣府が12日に発表した8月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比0.2%増となった。2カ月連続の増加。ロイターの事前予測調査では前月比1.0%減で、予想外の増加となった。外需も大幅増となり、コロナ前の水準に回復した。

7月の6.3%増に続き、8月もわずかながらも増加となり、内閣府では判断を7月の「減少傾向にある」から「下げ止まりつつある」に上方修正した。

ただ受注額水準は7525億円とコロナ前の8000億円台には届いていない。前年比でみると、15.2%減と2桁の減少となっている。

内訳をみると製造業は前月比0.6%減の3113億円、非製造業(除く船舶・電力)は同6.9%減の4123億円となった。

汎用生産用機械が前月比2桁増となったのをはじめ、自動車・同付属品、情報通信機械といった製造業の主な業種からの受注は増加している。

一方で非製造業からの受注は一進一退の業種が目立つ。

外需は回復傾向にある。8月は前月比49.6%増となり、7月に続き2桁の高い伸びとなっている。受注額水準は昨年8月以来の9000億円台に増加している。米中経済の回復を映じたものとみられる。

機械受注が2カ月連続で増加を維持したこともあり、設備投資の先行きにも明るい材料となりそうだ。ただ市場関係者からは「企業収益の大幅回復は期待し難く、企業がコスト削減で不要不急の受注を手控える可能性が高い。下げ止まっても、力強さに転じるには時間を要する」(大和証券・チーフマーケットエコノミストの岩下真理氏)と慎重な見方も示されている。

機械受注統計は機械メーカーの受注した設備用機械について毎月の受注実績を調査したもの。設備投資の先行指標として注目されている。

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(中川泉 編集:青山敦子)