[ワシントン 7日 ロイター] - 米下院司法委員会反トラスト小委員会のデビッド・シシリーニ委員長(民主党)は7日、フェイスブック<FB.O>による2012年のインスタグラム買収について、「巻き戻すことに異存はない」との立場を示した。

同小委は6日に出した報告書で、巨大IT(情報技術)企業が買収を通じて競合を排除するなど支配的な地位を利用していると指摘し、規制改革を主張したが、解体すべき個別企業名や買収案件は挙げなかった。

シシリーニ氏はロイターのインタビューで、フェイスブックにインスタグラムの買収を認めるべきではなかったとの立場を表明。米連邦取引委員会(FTC)は12年に同買収を承認した。

「巻き戻すのに異存はない。それが問題の適切な答えだと思う」と述べた。

フェイスブックはコメントの求めにこれまでのところ応じていない。同社は従来、買収当時のインスタグラムは存在感があまりなく、フェイスブックによって現在の成功に導かれたとの見解を示している。

買収前の状態に巻き戻すには、政府が裁判所に売却命令を求めて訴訟を提起する必要がある。

6日の報告書は、インスタグラムは12年の買収当時は小規模だったが、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はインスタグラムの将来性を認め、「当社と競合するネットワークを築いている」、「当社にとって破壊的となる可能性がある」と警戒していたと指摘した。

報告書によると、同小委はインスタグラムの元従業員1人から4日に、フェイスブックとインスタグラムの分離は容易ではないとするフェイスブックの主張に反論する内容の電子メールを受け取った。従業員の名前は非公表。

電子メールは「2社が過去1年に行った変更を元に戻せばいいだけの話で、再び別々の2つのアプリになる」と主張。「オンとオフの切り替えだけだ」とした。