[アムステルダム 30日 ロイター] - オランダ政府は30日、新型コロナウイルス感染者数が記録的水準に達していることから、長らくの方針を転換し、公共の場でのマスク着用を推奨すると表明した。議会で決定的な措置を求める声が過半数を占め、連立与党内からも方針転換を求める声が出ていた。

ルッテ首相は議会で、「オランダ国民に明確かつ緊急の助言を示したい。今後は、公共の場において、医療用でない、口と鼻を覆うマスクを着用するように」と述べた。

オランダでは新型コロナ感染の第2波が発生しており、今週には1日当たりの新規感染者数が3000人を超えている。

首相のほか同国の医療専門家らは、感染開始当時からマスクに感染予防の「有効性」がないと主張しており、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長が最近、オランダのテレビでこうした主張を非難する事態となっていた。

世界保健機関(WHO)も6月以降、感染拡大抑制のため、社会的距離(ソーシャルディスタンス)を確保できないときにはマスクを着用するよう推奨している。

オランダはスウェーデンとともに、この推奨を拒絶する少数の国に含まれていた。