[北京 28日 ロイター] - 中国は28日、各沿岸で5つの軍事演習を同時に開始した。域内の緊迫感が高まる中、ここ2カ月間で2度目の同時演習となる。

中国海事局によると、軍事演習は、領有権が争われている南シナ海にある西沙諸島近くで2カ所、東シナ海と北部の渤海のそれぞれ1カ所で行われている。黄海南部では、実弾を用いた演習を28ー30日に実施する。

中国海事局は演習海域に船舶が進入することを禁じるとした。

中国は実戦に備えて定期的に軍事演習を行っているが、同時に複数の場所で実施するのは珍しい。中国は8月に渤海から東シナ海、黄海、南シナ海にかけた4カ所での演習を発表。軍事専門家はまれな組み合わせだと指摘した。

米国は8月、中国が実弾演習を行う飛行禁止区域に偵察機を派遣。中国は強く抗議した。

米中は最近、台湾や新型コロナウイルス、貿易、人権といった問題を巡り対立している。中国は、自国領土と主張する台湾の近くでしばしば軍事演習を実施し、通常通り台湾を標的にしたものだと明言してきた。