2020/9/29

【超解説】なぜ、最高裁判事が、ここまで「大事」なのか

ジョシュア・W・ ウォーカー
ジャパン・ソサエティー(米国・NY) 理事長
あなたは、最高裁の裁判官の名前を一人でも知っているだろうか。おそらく、ほとんどの人が答えられないだろう。
だが、アメリカでは、先々週から最高裁判事をめぐるニュースが、連日、メディアを騒がせ続けている。しかも、メディアが騒いでいるだけでなく、国民たちも、あらゆるプラットフォーム上で、判事をめぐる意見をぶつけ合っている。
きっかけとなったのは最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ氏(通称:RBG)の死去だ。
なぜ、アメリカでは判事の死去がこれほどまでにニュースになるのか。大統領選の結果そのものや社会のあり方すらも変えてしまう、今回の指名の本質は何なのか。
米国政治の気鋭の論客であるジョシュア・W・ウォーカー氏(ジャパン・ソサエティ(NY)理事長)による、鋭い解説をお届けしよう。

「聖人」ギンズバーグの横顔

アメリカは、この2週間ほど、ルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事(RBG)が死去したニュースで持ち切りです。
日本では、最高裁の判事の名前を聞いたこともないという人が多いでしょうから、なぜこのニュースがそこまで重要か、ピンとこないかもしれません。